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ソフトバンク・今宮健太 心と体に刻み込まれた教え/増した責任感

 

今季は「気持ちに余裕を持って守れた」と胸を張った今宮


 名実とも、すっかり「日本一のショート」と呼べる存在だ。今宮健太は今季も当然のように、5年連続5度目のゴールデン・グラブ賞に輝いた。「選んでもらえたことは本当にうれしい。毎年『獲りたい』と思っている賞なので」。レギュラー定着6年目で初の1ケタ7失策に抑え、自己最高となる守備率.988をマーク。130試合制だった1991年の西武を1厘上回る、チーム守備率.993の日本新記録を樹立したソフトバンクの象徴的存在だ。

 右ヒジクリーニング手術を受けて不安を取り除き臨んだプロ8年目。打球が減速する傾向となったヤフオクドームの新人工芝の研究を重ねた。ただ、今宮は「もっとしっかりやらないと」と気合を入れ直す。入団時に二軍監督として師事した鳥越裕介内野守備走塁コーチが、今季限りで退団。ロッテのコーチに就任した。今宮は「何と呼べばいいのか、恩人よりも上の存在」と語る。技術面だけでなく、グラウンド以前の部分から精神面でも教えを請うた。今後は自らが周囲に声を掛けていくつもりだ。

「守備や走塁で、年齢に関係なく、気がついたことがあったらほかの選手に指摘していきたい。そういうことができれば、成長したと言えるのかな」

 今秋のキャンプ中、スローイング動作の確認でブルペン入りした。「かなりインステップしていた。鳥越さんから『直さないと肩に負担がきて痛める』と言われていたけど、まだ直ってない。気がついてよかった」。随所に息づく教えを幹に、自分の枝葉を伸ばしていく。

写真=湯浅芳昭
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