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ヤクルト・原樹理投手 エースを狙え/2018年期待度NO.1

 

燕の若き右腕は投手陣の柱を目指す


 東洋大卒業後にドラフト1位でプロの世界に飛び込んだ。1年目は2勝8敗。そして2年目の昨季は3勝11敗。2年間でわずか5勝しか挙げられず、いずれも大きく負け越している。ただし、表に出るこれらの数字だけで評価はできない。

 12月14日、都内の球団事務所で契約更改交渉を行った原は、1200万円増の2900万円でサインした(金額は推定)。「先発に戻ってからは、自分が取り組んできたことを出せたと思います」。神妙な表情で2017年シーズンを振り返った。

 昨季は中継ぎスタートながら、5月下旬に先発ローテ入りを果たす。脚光を浴びたのは6月15日の楽天戦(神宮)だった。投げ合う相手は「9試合連続2ケタ奪三振」を狙う則本昂大。それでも原に気負いはなかった。シュート、カットボールなど多彩な変化球でコーナーを突き、凡打の山を築いた。4回に先制を許すも粘りの投球を続ける。そして中盤以降に崩れたのは則本のほうだった。121球、4安打無四球2失点でプロ入り初完投勝利を手にした。「最後を締める気持ち良さを感じました」と、ファンから“ジュリー”と呼ばれるイケメンはさわやかな笑顔を見せた。

 勝ち星に恵まれない中でも最後まで先発ローテを守り、投球回はブキャナンに次ぐチーム2位の131回1/3。クオリティースタート率は63.16パーセントもブキャナンに肉薄する数字だった。奪三振数は1年目の「33」から「115」と3倍以上にはね上がった。これには本人も「自分の直球を投げることができ、それが成績に表れた」と胸を張った。

 球団ワーストとなる96敗を喫したチームの中でこれだけの年俸アップは、期待値も含まれているはずだ。今季の目標として「まずは開幕ローテ入り」と謙虚さを崩さない“ジュリー”だが、首脳陣が「勝手にしやがれ」などと放っておくはずがない。最下位から巻き返しを図るスワローズの切り札となれるか。

写真=内田孝治
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