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中日・渡辺勝 足でアピールに成功/飛躍の1年を誓う

 

支配下登録を目指す渡辺


 育成卒業も間近。そんな印象を残して2017年を締めくくったのが、渡辺勝だ。台湾で行われたアジア・ウインターベースボールリーグでは11盗塁で盗塁王を獲得し、打率.323、2本塁打とブレークの兆しを見せた。

「何とかタイトルを獲ろうと思って、積極的に走りました。試合の経験を積むこともできたし、自分のためになる大会でした」

 海外の慣れない環境で手にした好結果と自信が、せいかんな顔つきに映し出される。

 スカウトから転身した石井昭男打撃コーチも、台湾での成果に目を細めた。「もともと打撃は一級品の素材。そこに足もあるのだから、台湾では盗塁王を獲るぐらい走ってこい、と言ってあった」。いくら足があっても、盗塁を決められなければ、「走れる選手」とは見なされない。逆に、盗塁が増えることで、「あいつは走れる」と認識されれば、アピール成功ということだ。

 16年12月に他界した荒川博氏(元毎日ほか)の「最後の弟子」。一本足打法は、周囲の目を引く。ただ、何ものにも勝る特長は、ハングリー精神にある。

「渡辺のようなガツガツした選手が成長して支配下に上がることができれば、周囲にも良い影響が出る」と石井コーチ。渡辺は台湾から帰国後、年末年始も東京都内でトレーニングを継続してきた。

「キャンプはスタートから勝負です。(今のチームでは)足を求められていると思うので、そこでアピールしたい」。勝負の育成3年目。「卒業式」は目の前にある。

写真=BBM
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