日本ハムの新キャプテンは中田翔が務めることになった。野球人生初のリーダー役。栗山監督から直々に指名を受けた。「自分自身も何かを変えたいと思っていた」というタイミングも重なり、重責を承知で受けた。昨シーズンは故障や打撃不振も重なり、不完全燃焼で終了。再起への強い思いが、チームを引っ張る立場への転身を決意させた。

「キャプテンって何なのかなって思うけどね。キャプテンがいるのかな……」と周囲には冗談めかすが、覚悟を持って引き受けた大役だ。栗山監督は意図を「どんなことをしても（中田に）結果を残させる。すべてアイツに背負わせることがいいと思った」と説明した。覇権奪回に活躍が欠かせないチームの大黒柱として期待する。

　中田が目指す方向性は諸先輩から学んだものがベースとなる。「自分も先輩からノビノビやらせてもらった。それがウチのチームの良さ」と語る。グラウンド上で積極的にモノを言うタイプではない。背中を見せながら、付いてきてくれるのを待つ。そのためにも自分のやるべきことは明確だ。「いまはすごくやる気になっている」と例年以上にモチベーションも高い。

　昨シーズンは体重を絞って臨んだが、想定どおりの結果は得られなかった。今オフは体重を100キロ台に乗せてキャンプイン。肉体も一から作り直した。ここからは「プレーは自分らしくやっていきたい」と、結果でけん引するのみ。新キャプテンが大爆発すれば、チームが目指す2年ぶりの頂点も見えてくる。

写真＝高原由佳