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西武・中塚駿太 劇的な変化を見せた剛球右腕/スタートダッシュを決める

 

一軍でのフル回転を目指す中塚


「中塚、良いですよ!」

 キャンプ第1クールのブルペンを見て、土肥義弘投手コーチが早々に太鼓判を押したのに続き、第2クールに行われたシート打撃では、打者9人を1安打に抑え、首脳陣へのアピールに成功した中塚駿太。剛球を誇る2年目右腕だ。

 成長の一番の要因は、肉体的な変化だった。昨秋の一軍キャンプで、同投手コーチからあらためて意識改革の必要性を諭された。1年目の昨年、9月24日のオリックス戦(メットライフ)で一軍デビューは果たしたものの、二死から三者連続四球を記録し、「思っていた以上に厳しい世界」と危機感を覚えた大卒右腕の胸には、大きく響いた。

 その後、オーストラリアのウィンター・リーグで、試合、練習へ取り組む姿勢が一変。帰国後も、連日ジムへ通い、肉体改造に取り組んだ。入団時103キロだった体重は96キロまで落ちたが、「無理はしていません。自然と食べる量が減っただけ」。栄養バランスのとれた質の高い食生活が、無駄な大食いと決別させた。

「身体が変われば心も変わる。表情にもプロとしての自覚が出ている」と変化を感じた土肥コーチは、本人と対話して今後、目指す方向性を確認し合った。

「お前は、球威で勝負するタイプだから、多少コースが甘くても、ファウルでカウントを稼いでいければいい」

 自身も細かい制球を苦手とするが、「最低限の制球力」の必要性を説かれ、納得。球威と、コントロール向上をテーマに初のA班キャンプで熱投を続けた。牧田和久、シュリッターの抜けた中継ぎの穴を補って余りある存在になれるか。ポテンシャルは十二分だけに楽しみだ。

写真=大泉謙也
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