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DeNA・楠本泰史 実力を蓄え開幕一軍へ/スタートダッシュを決める

 

巧みなバットコントロールでセンター中心に弾き返す打撃が高評価を集めている


「おそらく彼は多くの人が思っている以上に良い打者だ。非常に素晴らしいテクニックを持っている」。ラミレス監督がそう絶賛し、沖縄・宜野湾キャンプの“第2クール野手MVP”に名を挙げたのはドラフト8位ルーキーの楠本泰史(東北福祉大)だった。

 左打席からの柔らかいスイングで広角に球を弾き返し、ツボにハマれば海沿いの強い逆風でもスタンドまで運ぶパンチ力を秘める。2月12日の紅白戦(宜野湾)に三番スタメンで起用されたのも首脳陣による高評価の表れだろう。

 昨夏の日米大学選手権で打率.389をマークして首位打者に輝き、続くユニバーシアードでも大学日本代表の四番を務めた。神奈川県横浜市で育ち、小中学時代は松井裕樹楽天)のチームメートという経歴でも注目が集まる。

 監督からの名指しに「え、僕ですか?」と虚をつかれた表情を見せた。筒香嘉智宮崎敏郎らもいる一軍キャンプに呼ばれた本人は、アピール以上の目的を持って沖縄入りしたのだという。

「すぐに一軍で活躍したい思いはあるけれど、そのレベルに達していないことは自分の肌で感じています。実力をしっかりと備えて一軍の舞台に立ちたい。そのためにも活躍されている選手の練習法や取り組む姿勢、そうしたものを探るつもりで来ています」

 DeNAの外野手事情は筒香、桑原将志梶谷隆幸のレギュラー陣に加え2年目の細川成也佐野恵太ら強打者ぞろいの激戦にある。チャンスは限られるが、ネット裏で他球団スコアラーが警戒を強めているのも楠本だ。

写真=小山真司
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