落ち着いた雰囲気は、主力選手たちに混じっていても違和感がない。即戦力として評価が急上昇しているのは、ドラフト5位ルーキーの田中俊太だ。
東海大相模高、東海大で日本一となり、日立製作所では都市対抗で準優勝とアマチュア球界のエリート街道を歩んできた。プロではめずらしく、高校時代から本職は二塁手。昨季セ・リーグの盗塁王に輝くなど、球界を代表する遊撃手となった
広島・
田中広輔を兄に持つ。りりしい眉と大きな目だけでなく、打撃フォームや身のこなしまでそっくりとの声も多い。
春季キャンプは一軍スタートを勝ち取ると、順調にアピールを続けている。今季初の対外試合となった2月17日の
中日との練習試合(那覇)では「二番・三塁」でフル出場し、3打数2安打1打点。進塁打や犠飛でチームに献身し、
高橋由伸監督も「全部の打席に内容があったと思う。いい対応ができていた」と称えた。
同18日の韓国/KIAとの練習試合(那覇)では、第1打席にファウルで粘って12球目に四球で出塁し、粘り強さをアピール。「打撃にも守備にも役割がある」と話すルーキーの、チーム打撃を遂行する技術、バットコントロールの高さは新人離れしている。
二塁には球団が期待をかける2年目の
吉川尚輝がいることもあり、三塁や一塁で練習する場面も増えているのは、田中俊の出場機会を確保したい球団の方針から。
「勝利に貢献できる、存在感のある選手になりたい」と田中俊。日に日に注目度は高まっている。
写真=BBM