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ソフトバンク・田中正義 自分のいるべき場所へ/2年目の成長

 

一軍登板の中で確かな収穫と課題を得た田中


 不完全燃焼に終わった1年目の悔しさを、今季は晴らしてみせる。3月4日の阪神とのオープン戦(ヤフオクドーム)。2017年ドラ1右腕の田中正義が、2年目にして初めて本拠地ヤフオクドームのマウンドに立った。2番手として5回にその名前がコールされると、3万7481人の観衆は大歓声。「こんな中で投げるのは初めて」。ドラフト会議では5球団が競合し、大きな期待を背負いプロの世界に飛び込んだ右腕が、自分がいるべき場所を再確認した。

「本拠地デビュー」では一軍定着へ向けての課題を残すと同時に、大器の片りんも見せた。先頭を149キロ直球で左飛に打ち取ったが、その後制球が定まらずストライクを欲しがると、安打と2四球で二死満塁のピンチ。最後は147キロで中飛にねじ伏せたが、2イニング目の6回も無死から安打と四球で無死一、二塁とされた。それでも「後手に回っていた」とそこから開き直ると、ともに直球で2者連続三振。「もっともっと自分の力を発揮していかないと」。要所で武器の力強い直球を見せたものの、ハイレベルなチームの投手陣に食い込むためには、まだまだ課題があることを理解している。

 1年目は右肩を痛めたこともあり、一軍どころか二軍戦登板さえ1試合にとどまった。それでも工藤公康監督は「練習を見ても目の色が変わった」と2年目の成長を認め、「指にかかったときの力強い球を、マウンドに上がった1球目から投げられるように」と話す。今季こそ指揮官の期待に応えてみせる。

写真=湯浅芳昭
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