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中日・鈴木博志 剛球武器に勝利の方程式へ/一軍デビューが見えた

 

クローザー候補に名前の挙がる鈴木博



 即戦力か、将来性か。最速157キロ。鳴り物入りのドラフト1位で入団したルーキーの鈴木博志の評価は、正直なところ判然としていなかった。早生まれで、3月22日に21歳となったばかり。しっかり育てるという考えがあっても不自然ではない。ただ、沖縄でのキャンプやオープン戦で、そのボーダーラインをあっさりとまたいだ。

 一軍の戦力。しかも、勝利の方程式の一角に。オープン戦では6試合連続、いずれも1イニングずつを無失点。結果と内容を受け、評価は日増しに高まる。それでも、「(無失点を)意識はしません。結果は勝手についてくる」と泰然自若。そんな姿もまた、新人離れしている。

 最大の持ち味である直球の球速も、投げるたびに150キロを計測。21日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)ではプロ入り最速の156キロをマークした。もともと、スカウト陣は「先発も、救援もできる」の評価。しかし、メジャー屈指の守護神キンブレル(レッドソックス)にあこがれる右腕の熱意が伝わり、森繁和監督も「リリーフで使う」と明言。今では田島慎二と並ぶクローザー候補を期待されるほどの存在感を示している。

 当然、一軍スタートかどうかを議論する対象ではない。とはいえ、プロ1年生にとって、「開幕一軍」は最初の関門。ただ、キャンプ後にスーツと革靴を新調した「金の卵」は、そんなハードルをやすやすと越え、勝利のための重要なカードになる可能性を秘めている。

写真=BBM
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