何も心配することなく開幕を迎えられそうだ。山崎康晃が貫禄たっぷりに振る舞ったのは、3月18日の
オリックス戦(京セラ)だ。2点リードの8回に4番手で登板。外角直球で
マレーロを見逃し三振に仕留め、中島 宏之、
T-岡田とタイトルホルダーも連続三振。決め球のツーシームは切れ味十分で、ベンチで見守った
ラミレス監督ら首脳陣を満足させた。
プロ1年目から37→33→26。コツコツと積み重ねたセーブ数は96を数えた。「一つの目標として、早く達成したい思いはあります」。プロ4年目での通算100セーブは、
小林雅英(元
ロッテほか)らの5年目を抜いて日本人最速。スピード記録だけでなく、初のセーブ王へ期待が高まっている。
昨年は自己最多の68試合に登板。4月に救援失敗が重なり、約1カ月間は
パットンに抑えの座を明け渡した。「絶対的守護神と言われるところまで上り詰めたい」とセットアッパーから復権し、防御率はキャリアハイとなる1.64。今年2月の宜野湾キャンプでも「打者が嫌がる『間』をつくりたい」とカーブとスライダーの中間にあたる「スラーブ」を練習してきた。
現状に満足することなく、他球団のマークが相当に厳しくなることも想定。日本シリーズでは相手のクローザーである
サファテからかつてない刺激を受け「彼を目標にしたい。自分が胴上げ投手になるイメージを強く持ちたい」と力を込めた。まだまだ進化の途中。有言実行のシーズンが始まる。
写真=前島 進