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ヤクルト・青木宣親『CAN』の言葉に込めた真意とは?/スタートダッシュに成功

 

神宮のお立ち台でファンの声援に笑顔で応える


 今季のヤクルトには、この男がいる。青木宣親だ。メジャーで7球団を渡り歩き、7年ぶりに古巣復帰。かつて背負った背番号「23」で、日本での再スタートを切った。

 3月30日の開幕戦(対DeNA、横浜)には「四番・中堅」で先発出場。8回に左前適時打を放ち、日本復帰後、初安打初打点を記録した。今季は、青木が「つなぐ四番」に座る“新打線”が実現。4月21日からは一番に座る。青木を中心に、少ないチャンスをものにする野球を画策している。

「長いシーズンが始まる。負けが込んでくることもある。『MUST(マスト=しなければいけない)』な気持ちになってしまう場面がある。そういうときに『MUST』ではなく、『CAN(キャン=できる)』の気持ちでいこう」

 開幕戦前のミーティング。青木はナインにこう語りかけた。昨季苦しんだチームを思い、“Vの使者”として帰ってきた男の行動が、チームを上昇気流に乗せている。2月の入団会見では、前回在籍した最終年の2011年に中日にリーグ優勝されたことを振り返り、「自分の日本時代はそこで一度止まっている。前に進めたい。やり残したのはヤクルトで優勝すること」と言い切った。

 4月4日の広島戦では、7年ぶりに本拠地・神宮のお立ち台に立ち、「ただいまー! 会いたかったよー!」とあいさつ。燕党から大歓声が起こった。かつて見せていた勝負強さを取り戻しつつある。帰ってきた背番号23が、燕軍団を変える。

写真=川口洋邦
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