次のチャンスこそ、逃さない。山本泰寛は二軍で中軸に座り、成長を続けている。
チーム屈指のスイングスピードを誇る若武者は、巨人では意外にも珍しい東京都出身。荒川区で生まれ、江戸川区立諏訪台中では世田谷西リトルシニアで主に投手としてプレー。3年時には日本選手権で優勝した。慶応高から慶大と進み、2016年ドラフト5位で巨人入団を果たした内野手だ。
昨年12月には球団行事で江戸川区葛西の「ばとうばし幼稚園」を訪問。「テレビの前や、東京ドームに足を運んでもらってもいいですし、応援してください」と園児に活躍を誓った。全国的にファンが多いチームの地元出身選手として、期待を背負っている。
昨季は打率.182に終わったが、最終戦の10月3日の
ヤクルト戦(神宮)で決勝のグランドスラムでプロ1号を飾り、チームが若返りを図る将来へ期待を持たせた。だが今季は大卒、社会人卒の即戦力内野手が加入し、昨年のドラフト1位・
吉川尚輝らとの激しい二塁手争いが勃発。山本はオープン戦で22打数4安打の打率.182と力を発揮できず、開幕一軍のメンバーには選ばれながらも、2カード目の途中の4月5日に出場選手登録を抹消された。
4月26日時点でイースタンでは17試合に出場し、打率.173ながらも出塁率.317と持ち味を発揮しており、「チャンスは何度もない。1日、1打席を大事にしたい」と山本。来る出番に備え、牙を研ぐ。
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