横浜高では甲子園にも出場しており、地元ファンから愛されている
不動のレギュラーだけでなく、看板選手としても地位を確立している。
筒香嘉智や
山崎康晃のような派手さはなくても、
倉本寿彦はなくてはならない存在だ。
「小さいころからベイスターズファンだったので、このユニフォームが着られてうれしいです」と初々しさを感じさせたのが4年前。2014年11月の入団会見で「開幕からレギュラーとして出ます!」と言い切ってみせた。
このとき、色紙に記したのは「本物」の二文字。ここまでの足取りはまさに、有言実行だった。神奈川生まれで本拠地・横浜スタジアムは特別な場所。同じ遊撃手であこがれ続けてきた
石井琢朗(現
ヤクルト一軍打撃コーチ)の背番号「5」を与えられ、慢心することなく前進している。
プロ1年目から開幕スタメンを実現し、102試合に出場。
ラミレス監督が就任した一昨年から定位置を確保した。141試合で打率・294と打撃開眼。昨年はレギュラーシーズンからCS、日本シリーズと全156試合でフルイニング出場するタフネスを見せた。
当時は度肝を抜いたが、八番に投手を置く指揮官の采配により“恐怖の九番打者”としてもキャラクターを際立たせた。昨季の得点圏打率の.342はリーグ2位。
阪神から
大和がFA加入した今季は二塁にコンバートされ、23試合で1失策と奮闘している。
出身地である茅ヶ崎市にちなみ、ハマスタの1打席目に採用する登場曲は桑田佳祐の『波乗りジョニー』。渋い輝きも見逃してはいけない。
写真=大泉謙也