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ヤクルト・ブキャナン投手 オトウサン、ガンバッテマス。2年目の助っ人右腕が希望の光に/春の収穫or誤算

 

指揮官の期待に応えるべく、力投を続けている


 助っ人の存在が、大きい。2年目右腕のデービッド・ブキャナンの活躍は、チームにとって大きな収穫と言える。今季、球団では2004年のジェイソン・ベバリン以来、14年ぶりとなる外国人の開幕投手を任された。

 小川監督は開幕前、「昨年の安定感を考えた。軸として、1年間ローテーションを守ってほしい」と説明。昨季は、25試合で6勝13敗、防御率3.66と負け越しながら、安定感のある投球を披露した右腕に期待を寄せていた。それに応えるように、3月30日の開幕戦(対DeNA、横浜)では6回5安打1失点で開幕戦勝利に貢献。「緊張した中でもしっかり投げられた。精いっぱいプレーできたよ」と充実感を漂わせた。

 投手事情は厳しい。エース・小川、2年目の星が右ヒジ疲労骨折からの回復途中で、開幕には間に合わず。石川、原、ハフ、由規らでローテーションを回しているものの、厳しい状況には変わりない。そんな中、ブキャナンが先発陣の柱として獅子奮迅の姿を見せている。

 5月4日の広島戦(神宮)で今季チーム初完封勝利。防御率1.43でセ・リーグのトップに返り咲いた。勝利後のお立ち台では「オトウサン、トッテモガンバリマシタ」と、お決まりのフレーズを進化させた。小川、星の回復が今ひとつ進んでいないのは誤算だが、代わりにブキャナンがエース格としての働きを見せているのは、うれしい誤算でもある。

 武器は制球力。「自分の手元で小さな違いでも、相手のヒザ元では大きな違いになる」と高校時代には、左右中に球を置き、離れた場所から当てる練習を繰り返した。苦しい台所事情の中、助っ人が希望の光となる。

写真=佐藤真一
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