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ヤクルト・坂口智隆 出られるなら歯を食いしばってでも。ヒットメーカーの献身力/序盤戦MVP

 

ベテランの域に入りつつあるが、その向上心は変わらない


 開幕から、坂口智隆が好調だ。5月26日の時点で42試合に出場し、打率.347はセ・リーグ3位。オリックス時代の2011年には、パ・リーグで最多安打(175安打)のタイトルも獲得した安打製造機は、ヤクルト移籍3年目の奮闘ぶりを、こう振り返る。

「やっぱり、H(ヒット)マークが付いていることですね。結果が状態を良くすることは多々ある。僕には、それが重要。打てないときもあるけど、状態に左右されず、結果がついてきてくれている。かみ合う部分があって、いい流れが増えました」

 試合を決める一打もあった。6日の広島戦(神宮)の延長11回、二死一塁から右翼線へのサヨナラ打を放ち、「最高によかった。つないでくれて、僕も後ろにつなごうという意識だった」と坂口。野手15人を使った死闘に決着をつけたのだ。昨季はケガ人が続出し、チームが低迷する中、「ケガをしている人も、したくてしているわけではないし、みんな出たいし、そういう人たちの分もね。出られるなら歯を食いしばって出たい」と1年間、試合に出続けた。今年は34歳となるが、寝られないときでも横になって体を休めるなど、体調管理や準備の積み重ねが、好調を支えている。

 今春のキャンプからは、一塁の守備にも挑戦。「発見ばかりで、日々勉強。試合に出られるならどこでもやるし、もっともっとうまくなりたい」とどん欲だ。まだ序盤戦。ここからの巻き返しにも、坂口の力が必要不可欠になる。

写真=榎本郁也
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