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日本ハム・中島卓也 まさか、まさか!衝撃のグランドスラム/試合を決めたあのプレー

 

地元の福岡で本人もびっくりの満塁ホームランを放った中島卓


 期待以上の最高の結果でチームを勝利に導いた。5月12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)は、中島卓也のひと振りが試合を決めた。1点を追う2回一死満塁の場面だった。「皆さんもビックリしていると思いますけど、僕が一番ビックリしました」と振り返った打球は大きな弧を描いてヤフオクドームの右翼席へ到達。プロ初のグランドスラムだ。

 プロ通算2本目のアーチが値千金の1発となった。チームは中島卓の満塁本塁打で逆転。そのまま逃げ切って勝利を収めた。昨年7月30日の同戦で史上最遅となる通算2287打席目でプロ初本塁打をマーク。地元の福岡でまた思い出深い放物線を描いた。

 さらに主役となった試合から15日後の5月27日の西武戦(メットライフドーム)。今度は確かな目で、勝利を演出した。最大6点ビハインドを追いついて迎えた延長10回の攻撃。一死一塁の場面で大田が三ゴロ。西武は併殺を狙い、三塁手からの送球を受けた二塁手の浅村が一塁へ転送。結果は二塁封殺のみだったが、栗山監督がリクエスト。浅村の足が二塁ベースに触れていないことが判明して判定が覆った。

 ベンチ内で最初に声を上げたのが中島卓だった。「余裕で分かりましたよ」。前の試合でも似たようなプレーで疑念を抱き、万が一に備えてベンチで「目」を凝らしていた。これでチームはチャンスを拡大し、近藤の決勝打を誘発して首位の西武に3連勝。選手会長の存在感が際立った5月の2試合だった。

写真=湯浅芳明
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