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広島・下水流昂 チーム一丸の勝利の最後を締めるサヨナラ打/試合を決めたあのプレー

 

サヨナラ打に喜ぶ下水流昂


一体感という広島の強みが凝縮された試合が、4月19日のヤクルト戦(マツダ広島)だった。延長12回、4時間56分という熱戦。終止符を打ったのは、途中出場していた下水流昂だった。

二死無走者という引き分け寸前から、安部が左翼二塁打。ここで下水流が風張の初球をたたいた。打球は右中間を転がるヒットとなり、今季初のサヨナラ勝ち。遅い時間だったが、まだ多く残っていた観客も大いに沸いた。5連勝を決めたヒーローは「最高に気持ちがよかった。みんなあきらめずに1点1点積み重ねていった」と全員の勝利を強調した。

負ければDeNAと代わって首位陥落の状況だった。4回までに4点をリードされる苦しい展開。6回に3点を返したが、9回も二死無走者と敗色濃厚だった。ここから田中が安打と二盗を成功させ、菊池が右中間三塁打。土壇場で同点に追いついていた。延長戦でも最後にドラマが待っていた。

下水流は後日談として、ベンチの雰囲気を語った。「劣勢だったけど、誰ひとりあきらめることはなかった。一昨年、去年とリーグ連覇している自信がある。負けていても追いつけるという思いがチームに浸透している」。

自身は春季キャンプで、目立った選手に贈られる「監督賞」を受賞。開幕一軍入りし、ここまで途中出場がメーンながら存在感を示している。強いリストを生かした長打力はチーム屈指だ。こんな頼もしいサブ選手たちが、チーム力の底上げに貢献している。

写真=BBM
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