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巨人・澤村拓一 「サインミスは、もうしません」/試合を決めたあのプレー

 

昨季は一軍出場ゼロに終わった巨人澤村拓一だが、故障を乗り越えブルペンに欠かせない存在に


 プロ8年目。勝ちパターンの一角を担う澤村拓一が、一回り成長した姿を披露している。

 5月9日、東京ドームでの阪神戦。1点リードの6回、先発の吉川光夫が招いた無死一、二塁のピンチでマウンドを託された。澤村は最速154キロの直球と、140キロ台後半のスプリットのほぼ2球種で後続を封じた。7回も続投し、連打で無死一、二塁の場面で、ビッグプレーが飛び出した。

 セットポジションに入った右腕は、素早く二塁に回転。けん制のサインプレーを完ぺきに決め、二走・大山悠輔をアウトにした。これで阪神の反撃ムードは一気に消沈。後続も打ち取り、セットアッパーのS.マシソン、クローザーのA.カミネロへつなぎ、同学年の吉川光に白星をアシスト。「僕が先発投手だったこともある。勝ちがつくかつかないかで1週間の過ごし方や気分が変わる。(吉川光に)勝ちをつけてあげたかった」と喜んだ。

 けん制の話題になると、先発投手だった12年の日本シリーズ第2戦で、けん制のサインを見落とし、マウンドに来た捕手の阿部慎之助に頭をたたかれた“名場面”を思い出し、「サインミスは、もうしません」と笑わせた。プロの世界で培った冷静さが、勝敗を分けたといえる。

 昨季は右肩痛の影響で、11年のプロ入り以降初めて一軍出場ゼロに終わったが、全盛期と変わらぬ姿で復活。「行けといわれたところで行く準備をしておく。中継ぎはそれしかない。1日1日、それに応えたい」と澤村。ブルペンには欠かせない存在だ。

写真=BBM
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