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ソフトバンク・松田宣浩 連続先発出場は止まっても熱い気持ちは止まらない/頼れるタフネス

 

交流戦終了時点で打率は.213。松田はここから巻き返す


 大きなショックと悔しさを、松田宣浩は力に変えた。スタメン落ち翌日、打順八番で先発した6月2日のDeNA戦(ヤフオクドーム)で今季2度目の猛打賞。翌3日は三番に入って再び3安打、2年ぶりの1試合2発をやってのけた。「シーズンが終わるまで、サードのポジションを守れるように結果を出し続けたい」。言葉が熱を帯びた。

 チームでも柳田悠岐デスパイネに次ぐ本塁打を打ってはいた。もっとも打率が2割ジャスト(5月末時点)。守りも精彩を欠き、6月1日の試合で4年ぶりにスタメン落ちした。連続先発出場が508試合でストップ。故障以外でスタメンを外れたのは、2009年以来のことだった。

「(スタメンを外れたことで)必死に、1、2年目のように『試合に出たい、結果を出したい』という思いになれた。自分を見つめ直すチャンスだった」。35歳の実感だった。

 投手陣に故障者が相次ぎ、野手でも四番で主将の内川聖一(6月16日に復帰)、守りの要である今宮健太も右ヒジの状態が思わしく離脱した。松田の成績は物足りなくとも、故障らしい故障もなくグラウンドに立ち続けられる貴重さがある。

 スタメン復帰した松田は、近年かなり離れて立っていたベースに、わずかながら近づいていた。かつて死球による故障離脱が頻発。それを防ぐための方策だったが、打撃への影響を鑑みて“緩和”した。出続ける責任と、伴う成績への責任。ベテランの領域に足を踏み入れ、そのバランス感覚を養っている。

写真=湯浅芳昭
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