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楽天・岸孝之投手 「頑張るだけです」。短い言葉に決意を込める右腕/頼れるタフネス

 

苦境だからこそ、発揮できる力がある


 開幕から何も変わらず、自分の持ち場を守り続けている。33歳。ベテランの域に足を踏み入れ始めている岸孝之だが、今季も先発としてローテーションを守り、好投を続けている。プロ11年目だが、昨季までの投球回は11年連続100イニング以上。細身の体からは信じられないスタミナで、長いシーズンを戦い抜いている。

 今季も内容は抜群だ。6月23日の段階で12試合に先発し、全試合で6回以上を投げ平均球数は119.1球。7勝1敗、防御率1.94と安定感のある投球で、チームをけん引している。特に5月は、1対0での完封勝利(5月2日、日本ハム戦・札幌ドーム)をマークするなど5試合に先発し3勝0敗、防御率1.35。自身3度目、楽天移籍後初の月間MVPを受賞し「取れたことに対してはすごくうれしいです」と話した。

 開幕から2カ月、もちろん疲労はある。「(疲れは)たまりますけど、うまく。2日前ぐらいまでは、すごく疲れてて、当日になるとそれなりに。気持ちも入ってるんで。で、終わると疲れてる」と笑った。疲労回復に、意識しているのは睡眠時間。「睡眠時間は大事にしてます。(7、8時間?)寝たいですね」。1週間の大半で疲労を抱えながらも、登板日にコンディションを合わせている。

 マウンドで奮闘しているが、チームは浮上のきっかけをつかめていない。「頑張るだけです」と少ない言葉に決意を込めた右腕。託された試合に全力を尽くし、ただ目の前の1勝を目指していく。

写真=桜井ひとし
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