痩せて打てなくなるどころか、むしろ打てるようになった平田
意外にも、と言っては失礼かもしれない。竜の中距離砲・
平田良介はバットだけでなく、足でもチームに貢献できるプレーヤーだ。
前半戦の終盤に足を生かしたシーンがあった。7月7日の
ヤクルト戦(ナゴヤドーム)。1点リードした9回一死二塁だった。2番手・
中尾輝から放った打球は左翼・
バレンティンの頭上を越えた。普通なら二塁打になる当たりだろう。「送球を見て、あの位置からなら(体が)逆回りになると思ってサードまで走りました」。同じ外野手としての視点を生かし、バレンティンの守備を瞬時に判断した平田は二塁ベースを蹴って三塁へ到達。適時三塁打で大きな追加点をもたらした。
足を生かした守備も魅力だ。昨季の交流戦で本塁にヘッドスライディングした際に右ヒザを痛めたことを踏まえて減量に着手した。昨オフに体重96キロほどあった平田だが、約10キロ減らして現在は86キロほどになった。しかし、見た目がシャープになっただけでなく、守りに好影響を与えている。「足が速くなりました。守備範囲も広くなったと思います」。追いつくかどうか、際どい飛球でも難なく捕球できている。
盗塁も増えた。昨季の平田は4盗塁だが、今季は前半戦を終えて2倍の8盗塁をマークしている。減量で打撃の飛距離はどうしても落ちるマイナス面は否めない。それでも打率はリーグトップを争っている。バットだけでなく、今季の平田は快足でもチームを支えている。
写真=BBM