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ヤクルト・中尾輝投手 スピン量の多さで台頭した中継ぎ左腕/2年目の明暗

 

セットアッパーとして2年目に大きな飛躍を見せた


 確かな成長が、チームを救っている。2年目の中尾輝が今季、一軍でフル回転の活躍を見せている。8月4日現在でチーム2位の46試合に登板し、リリーフながら7勝3敗、防御率3.38。近藤、石山と「勝利の方程式」の一角を担い、試合終盤の緊迫した場面でマウンドに上がる。

「自信を持って投げられるようになって、練習どおりの腕の振りができている。去年は、力み過ぎていて球がいかなかったけど、今はいい力感で投げられている」

 不完全燃焼だった。名古屋経大からドラフト4位で入団した昨季は、2試合で0勝1敗、防御率11.25。昨秋のキャンプでフォームをチェックし、「前に突っ込んでいた」と分析。軸足である左足にしっかりと体重を乗せ、タメを作るように修正した。現在も意識しながらキャッチボールを続け、好結果につなげている。

 1年目から中尾を見守る、石井弘投手コーチは「昨年は踏み出す右のつま先が開いて、力が抜けていたけど、今は力が抜けなくなった。スピン量が多いから、打者の手元で来る」と説明。さらに「本人もデータを見ながらやっているし、野球に対しての感性が出てきた」と成長を感じている。

 同期で履正社高卒のドラフト1位・寺島は、いまだ一軍定着はならず。同2位の星も、昨オフに疲労骨折をした右ヒジの手術を受け、開幕は二軍だった。そんな中、中尾はなくてはならない存在に急成長した。これからも、勝利のバトンをつなげるために腕を振り続ける。

写真=BBM
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