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広島・野村祐輔 球児の奮闘も励みにエース復権へ/甲子園のヒーローは今

 


 暑さが盛りを迎えると、野村祐輔は自然とあの夏の記憶がよみがえるという。「だって、毎年テレビとかに出ますからね。そりゃあ、思い出しますよ」。決まって流れる映像は、広陵高3年の夏の甲子園決勝戦。がばい旋風と呼ばれた佐賀北高に終盤、満塁アーチを浴びて逆転を許すシーンだ。

「僕のときは気温が上がっても35度くらい。今はもっと暑いから大変でしょう。頑張ってほしいですね」。そんなエールを送りながら、高校球児の奮闘が自らの励みにもなっている。今季は二軍降格の憂き目にも遭ったが、今は先発ローテーションの地位を取り戻そうとしている。

 2年前に16勝。昨年は9勝ながら緒方監督に「成長に期待を込めて」と開幕投手に初指名された。2戦目までは順調に白星。ただそこから3戦は不本意な投球が続いた。4月26日のDeNA戦(横浜)で4回降板後、背中の筋挫傷でファーム行きを強いられた。二軍戦で右腕に死球を受けた影響もあり、一軍復帰には2カ月もかかった。

 それ以降は安定感を取り戻しつつある。ただ本調子というわけでもない。5勝目を挙げた7月27日のDeNA戦(マツダ広島)は、序盤に大量援護がありながら5回降板。丁寧に投げ過ぎた結果、球数を費やしたのが要因だった。「先発は1週間に1回。リリーフは毎日、肩をつくって投げている」とブルペンの負担を減らしたいと意気込む。先発の柱となるべく、信頼感を得るのが目標だ。

写真=BBM
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