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ヤクルト・寺島成輝投手 「高校ビッグ4唯一の未勝利も、焦らず一歩ずつ」/甲子園のヒーローは今

 

現状の力不足を認めながらも前を向く


 2年前の夏、寺島成輝は甲子園を沸かせていた。履正社高のエースとして注目を集め、花咲徳栄高の高橋昂也(現広島)、横浜高の藤平尚真(現楽天)、作新学院高の今井達也(現西武)と「高校ビッグ4」と呼ばれた。

 2回戦では、いきなり横浜高と対戦。その日の第4試合だったため日は落ち、雷鳴が響く中、9回6安打1失点で完投勝利。藤平との対決を制し「1回から9回まで気が抜けなかった」と話していた。3回戦で茨城・常総学院高に敗れたものの、そのスケールの大きさで真夏の甲子園を席巻した。

 そんな寺島は現在、二軍で調整している。ルーキーイヤーだった昨季は、春季キャンプで内転筋を痛め、シーズン途中に左ヒジ痛を発症。9月30日の中日戦(神宮)にプロ初登板初先発し、4回途中5失点でマウンドを降りた。1年目を振り返り「プロ野球を知った1年でした。ケガをするのも自分の責任。長期間休むことが初めてだったので、投げたい気持ちが強くて。投げている人を見て『いいなあ』と思っていた」と口にしていた。

 そして、飛躍を目指して臨んだ今季。開幕先発ローテーション入りはならず、7月1日の阪神戦(神宮)で今季初先発したが、2回6失点でプロ初黒星を喫し「力不足でした」。「高校ビッグ4」の中で、初勝利を手にしていないのは寺島だけとなった。だが、イースタン・リーグでは8月11日現在、15試合で6勝3敗、防御率3.15と結果は出ている。焦る必要はない。いつか必ず大輪の花を咲かせる。

写真=BBM
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