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広島・鈴木誠也 手が付けられない! 夏男が元気いっぱい/わがチームの絶好調男

 

8月に入り、打撃爆発中の鈴木


 四番のバットが止まらない。8月15日の阪神戦(京セラドーム)、三回一死二塁で打席が回ってきた鈴木誠也は、才木浩人の外角気味のスライダーを振り抜いた。打球は一直線に左翼席へ。自身も納得の一発でチームはリードを広げると、その後も効果的に追加点を重ね勝利。7度目の正直で、ついにマジック32が点灯した。

 この日の一発で8月、早くも8本塁打。月間打率も.460と驚異的な数字だ。東出輝裕打撃コーチが「手が付けられない」と舌を巻くのもうなずける。

 鈴木の打撃に対する姿勢は実にシンプルだ。タナキクマルの一、二、三番が高い出塁率を誇る広島。チャンスで、とにかく走者を「かえす意識」を第一に、打線につながりをもたらしている。その中で、常に好球必打を心がけ、甘い球を仕留めることができなかったときは、例えタイムリーとなっても塁上で悔しさをあらわにする。貪欲に“自分の打撃”を追い求め、その向上心は好調時も変わらない。

 また、存在感は打席の中だけではない。練習中、人一倍ストイックに取り組む一方で、ほかの選手にちょっかいを出したり、ものまねをしたり、球場に流れている音楽を口ずさんだりと少年のような一面も。そんな鈴木の周りには笑顔が絶えず、チームにはおだやかな雰囲気が流れている。このギャップもファンが鈴木に魅せられる理由の1つだ。

 18日で24歳を迎える鈴木。過去、誕生日の試合では2015年の1安打のみ。今年は横浜でド派手なバースデーアーチが飛び出すか。いつも以上に元気いっぱいな夏男の一発を、チームもファンも待っている。そして夏男が、Vへの勢いをさらに加速させる。

写真=太田裕史
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