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ロッテ・三木亮 レギュラー再奪取の思いを胸に秘めながら徹するチームプレー/ユーティリティーの輝き

 

攻守走でベンチの切り札となっている三木


 いなくなっては今季のロッテは完成しない。内外野を守り、小技に走塁と万能な三木亮は、不可欠な1ピースとしてシーズンを送っている。先発出場は数える程度だが、開幕から一軍を守り続けているのがその証拠。「もちろんレギュラーを取るつもりはある。でも、それは自分が思っている。チームから今求められていることは違うから、立場を考えてやっている」と腐ることはない。

 象徴的だったのは交流戦の巨人戦(6月17日、ZOZOマリン)だ。1点を追う9回無死満塁で代打に送り出された。「自分で決めようという気はさらさらなかった」と強くたたきつけ、投ゴロながら三塁走者の岡田幸文を生還させた。チームはその勢いでサヨナラ勝ちし、井口監督は「ああいう場面での集中力がとても高い。よくやっている」と絶賛した。

 昨季は遊撃手のレギュラーをほぼ手中にしたが、8月24日の楽天戦で右手に投球を受けて骨折し、シーズンが終わった。井口監督は選手を固めたい傾向にあり、現状ではスタメンのチャンスがほぼない。それでも、「まずは今の役割を完ぺきにやって信頼を勝ち取る。スタメンはその先」と語る。

「途中出場は一つのミスが試合の結果に直結する。1球目からベストパフォーマンスができる準備をしている」と入念な準備を心がける。夏を迎えても練習では長袖のウインドブレーカーを着込み、汗を多くかくのも工夫の一つ。

 複数のグラブを持って走り回り、今日もいつとは知れぬ出番に備える。

写真=BBM
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