8月21日の巨人戦(横浜)では移籍後初となる本塁打もマーク
試合前に伝えられたオーダーには、何より本人が一番驚いたという。最下位の
中日との3連戦に負け越して迎えた8月17日の
広島戦(横浜)、
ラミレス監督は一番・中堅手に
大和を抜てきした。この打順とポジションは、大和にとって
阪神からFA移籍後初めてのものだった。
試合前に報道陣に囲まれた大和は「差し込まれました」と苦笑いした。2014年に外野手でゴールデン・グラブに輝いた名手とはいえ、
DeNAではすべて遊撃手か二塁手での出場だった。可能性を伝えられていたとはいえ、練習でもほとんど外野の守備に就いていなのだから無理もない。入念にノックを受けた後、先発メンバーには珍しくフリー打撃の最終組まで中堅の位置で“生”の打球を処理。短時間でできる限りブランクを埋めようと努めた。
結局、中堅でフル出場したその日は珍しく打球処理ゼロ。安打も凡飛もなかった。シートノックでは鋭い返球も見せたが「(外野での実戦から)離れている分、打球に対する反応の仕方がまだ内野手の動きになっている。まだまだです」と厳しく自己採点した。球界屈指の内野の名手でありながら、ユーティリティープレーヤーであることのプロ意識を垣間見せた。
大和は一番・中堅で出たその日から4試合連続でマルチ安打をマーク。中堅で2試合に先発した後は遊撃に戻ったが、8月は19試合で打率.395と好調ぶりをアピール。CS進出を狙うチームは、大和という選手を生かす貴重なオプションを見つけたことになる。
写真=高塩隆