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オリックス・T-岡田 低迷打破に欠かせぬ男/生え抜きの意地

 

2010年に33本塁打でタイトルを獲得した大砲の復活が、チームの低迷脱出には欠かせない


 シーズン終盤戦の原動力へ、T-岡田は強い責任を抱いて戦っている。

 昨季は全試合に出場し、31本塁打を放つ活躍を見せた。しかし、今季はキャンプ中に痛めた右ワキ腹の影響で開幕一軍入りを逃すと、6月には別の個所の右ワキ腹を痛めた。40試合以上、未出場の悔しいシーズンとなっているが「ふがいない試合はできない」とラストスパートでチームの力になる。

 8月中旬に右ワキ腹痛から一軍復帰。状態を上げるまでに苦労の日々が続いたが、7点差を逆転した9月1日の西武戦(京セラドーム)では8回に2カ月ぶりの本塁打となる11号2ランで1点差に詰め寄り、大逆転勝利につなげた。「これだけ応援してくれる人がいる。何としてでも勝たないと」と強い思いをにじませた。

 大阪出身のT−岡田は、履正社高から高校生ドラフトで1位指名を受けて2006年に入団。自身も「幸せなことだと思う」と話すように、ここまで地元でプレーし続けている。チームでは選手会長を務め、ときには後輩にいじられながらも、ベテランや若手、主力、控えに懸け隔てなく接することからチーム内での人望も厚い。

 打線は今季、チーム打率も総得点数もリーグの下位に落ちるなど低調。9月には球団ワーストタイの3試合連続完封負けも喫した。2010年に33発を放ち本塁打王を獲得した大砲の復活が、チームの低迷脱出には何よりも欠かせないだろう。

写真=松村真行
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