松坂世代の一人が、本家に続いてカープでも復活した。永川勝浩だ。今季は開幕二軍も、ファームで好成績を残すと、6月3日に一軍昇格。同7日の
日本ハムとの交流戦(マツダ広島)で登板した。2016年5月25日の
巨人戦以来、743日ぶりのマウンドだった。
「何イニングでも、投げろと言われたところで結果を出すのが仕事。本当は勝っている試合で(登板して)一緒に喜び合いたいけど、きょうはホッとしています」。2安打を許したが、2イニングを無失点。地元広島出身の元守護神を後押しする声援が、球場に大きく響いた。
その後は10試合連続無失点を記録。接戦の重要な場面を託されるようになり、7月22日の巨人戦(同)では2年ぶりに白星も手にした。若い打者を相手に、ベテランが必死で立ち向かっていく姿はファンの胸を打った。
「想像よりうまくいかない。まだヒザが万全じゃない。踏み込めない。それは急にはできないので……」。昨年9月下旬に左ヒザのクリーニング手術を受けた。その影響は残っている。現役4位のセーブ数を積み上げたころとは投球スタイルが違う。当時は直球とフォークが主体だったが、今はカットボールを大きな武器にする。
現在はファームで調整するが、二軍防御率も9月19日現在1.20と安定。「技術的にも改善していきたい」と37歳の背番号20は成長を誓う。まだまだ一軍での働き場所はありそうだ。
写真=BBM