飛躍の助走となる1年かもしれない。昨秋にサイドスローへと転向した飯田哲矢。4年目を迎えた今季は開幕二軍で、6月に一軍に呼ばれた。初登板は同15日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。7点差をつけられた場面だったが、2回無失点、5奪三振の力投を見せた。特に2イニング目の7回は
中村晃、松田、柳田の上位打線から3三振の圧巻投球だった。
「開き直っていった。一度ではなく、これからも信頼を重ねていきたい」。ここから、少しずつ結果を残していった。ワンポイントや長くても1イニングの起用ながら、7月28日の
DeNA戦まで9試合連続無失点。チームのブルペン層は厚いが、手薄な左腕である強みを生かし、割って入るべく奮闘を続けた。
ドラフトでは6位指名ながら(2015年入団)、JR東日本からの入団で、同期の新人7人の中で、ただ1人の社会人出身者。即戦力の期待があった。1年目こそ16試合に登板も、2年目は2試合、3年目の昨年も8試合で防御率10点台。そのオフ、上手投げから横手投げへの大改造を決断した。「スピードを捨てるのは勇気のいることでしたけど、やらなきゃいけないと思ったので」。慣れに時間を要したが、ソフトバンクの嘉弥真の動画を見るなど研究を重ねた。
8月以降に打たれて防御率は6点台に悪化したが、役割である対左打者は打率2割ほどに抑えている。社会人時代には駅員経験もある27歳の好漢。存在感を増していきたい。
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