インサイドワーク、守備面においては一軍で通用することは証明済み。課題はやはり打撃面となる
一軍にいることが当たり前の選手だった。ルーキーだった2016年から3年連続で開幕スタメン。
戸柱恭孝が不可欠な存在であることに変わりはない。昨年112試合、一昨年は124試合。
DeNAの泣きどころだった捕手の定位置を確保し、即戦力として期待に応えてきた。かつて
ラミレス監督に「心中するぐらいの気持ちでいる」と絶大な信頼を寄せられるほどだった男の急降下。CS争いの佳境で、今はファームが主戦場になっている。
今シーズンは25試合で打率.179、1本塁打、6打点。4度の降格を味わい、7月22日の
阪神戦(横浜)を最後に再昇格の声を聞かなくなった。正捕手から転落。現実を重く受け止め、変わろうとしている。
「すべては僕の力不足が招いた結果です。悔しいですけど、ここからはい上がらないと道はない。やるのは自分自身ですから」。Aクラスに入るだけではファンも満足しなくなってきた就任3年目。ラミレス監督は打撃でも、捕手に水準の高いものを求めるようになった。
2月のキャンプから徹底して取り組んだのは「引っ張り」。指揮官の要求に応えようとするあまり、持ち味だったセンター中心の形を見失ってしまった。不振は少なからずリードにも影響。出番は激減し、同じポジションには
オリックスから
伊藤光がトレードで加わった。「一からやるぐらいの気持ちで。今までにない自分を出さないといけない」と攻守両面で技術向上に奮闘中。また必ず、陽のあたる場所へ帰ってくる。
写真=内田孝治