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西武・増田達至 トレーニングの継続で復調した右腕/あの悔しさを胸に

 

今季、守護神の座をはく奪され悔しい思いをした増田達至


 2016年以来、守護神として絶対的な地位を確立し続けてきた増田達至だが、今季は7月に不振のため一軍登録を抹消された。5月後半から状態を落とし、6月の防御率は7.88。7月に入っても上昇の兆しが見られず、同5日、ついに首脳陣は苦渋の決断を下した。

 故障以外でのファーム調整は、プロ入り初と言ってもいい。

「一から見直したい」

 原点に戻ると、あらためて気付かされることは多かった。降格直後は、改善を焦るばかり考え込み過ぎ、フォームを見失った時期もあったという。だが、一軍のときは、抑えという勝利を託される重要な役職から、「フルシーズン、試合で万全の状態であるために、疲労回復に重点を置こう」と、あえて自分で制限してきた走り込みや下半身強化を積極的に取り入れたことで、「いつの間にか、自分を鍛える部分がおろそかになっていた」ことに気付かされた。

 8月21日、一軍に戻ってからは、完全復調。9月は2勝0敗2セーブ、防御率2.08と抜群の安定感を誇り、事実上、優勝への最終関門となった同14日からの12連勝に大きく貢献した。その要因を、本人は「疲労などを考えず、下(二軍)でやってきた負荷がかかるトレーニングをずっと継続してやっている結果」だと確信する。

 苦しんだ分、得たものは大きかった。

「正直、僕がいない間にチームが勝っていたので、悔しい面もありましたが、いずれこの経験を今後の野球人生につなげていければいい」

 西武の経験豊富な右腕は、まだまだ進化の途中だ。

写真=BBM
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