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ソフトバンク・東浜巨 日本シリーズ初勝利!先発の軸として頼もしき存在/あのドライチはいま

 

日本シリーズ第4戦で先発を果たした東浜


 もがき苦しんだ3年間を経て、エース格にまで成長した。10月31日、広島との日本シリーズ第4戦(ヤフオクドーム)に先発した東浜巨は5回4安打1失点。「先頭打者を出さなかったことが最少失点に抑えられた要因」と丁寧なピッチングで日本シリーズ初勝利をつかんだ。これでソフトバンクは2勝1敗1分けと一歩リード。日本シリーズ連覇へ向けて大きな勝利となった。

 日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦(10月15日、ヤフオクドーム)。負けたら終わりの一戦でも、東浜は先発を託された。「初回からとばしていった」と5回途中を1失点。決して満足できる結果ではなかったが、チームをファイナルステージに導いた。

 2013年のドラフト1位。沖縄尚学高で春のセンバツを制し、亜大で磨きをかけた右腕は3球団競合の末、即戦力と期待されて入団した。1年目は3勝、2年目は2勝、3年目は1勝と下降線をたどり、『ドライチ』の金看板は輝きを失いかけた。

「今までやってきたことを根本的に変えなければ絶対自分は変われない」

 オフには単身でアメリカに渡り、徹底的に鍛え直した。4年目の16年に9勝を挙げると、17年には16勝で最多勝のタイトルに輝いた。さらなる飛躍を誓った今季は、右肩関節機能不全で途中離脱を余儀なくされたが、8月に一軍復帰すると、そこから負けなしの自身6連勝でフィニッシュ。ポストシーズンに向けても先発の軸として頼もしい存在が帰ってきた。

「ここまで来たからには力を出し切るだけ。やるしかない」

 今季セットアッパーとしてブレークした14年ドライチの加治屋蓮も東浜の背中を追ってアメリカ自主トレで力をつけた。11月9日に開幕する日米野球を戦う侍ジャパンにも選出。チームだけでなく、日本球界を背負う右腕へと進化を続けている。

写真=BBM
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