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ロッテ・平沢大河 ドライチショートのプライド/あのドライチはいま

 

外野挑戦もあって平沢は試合出場数を大きく伸ばした


 可能性が大きく広がった1年になった。2016年に宮城・仙台育英高からドラフト1位で入団した平沢大河。甲子園では強打の遊撃手として鳴らし、東北勢初の優勝にあと一歩というところまで導いた。しかし、プロではなかなかチャンスをものにできず、今季はトヨタ自動車から即戦力として藤岡裕大が入ってきた。

 キャンプ、オープン戦では三木亮と3人で激しいレギュラー争いを展開。キャンプ当時は内野守備・走塁コーチも兼ねていた鳥越裕介ヘッドコーチの熱血指導も入った。捕ってから素早く一塁へ投げる基本動作を延々と繰り返すのだが、そこでも三木や藤岡の巧みさに比べると後れを取っていた。

 シーズンが始まってしばらくすると、大塚明コーチとともに外野守備の練習を始め、4月21日の西武戦(メットライフ)に右翼で今季初先発を果たした。外野をやるのは小学生以来。グラブも清田育宏のものを借りた。

 ハイライトは10月5日の楽天戦(楽天生命パーク)。2対1の9回一死一、二塁、田中和基の打球は右中間の真ん中に飛んだ。「届くか微妙だったけど落ちたら勝ちが消えると分かっていたので」とダイブしてスーパーキャッチ。岩下大輝のプロ初勝利を文字どおりつかみ取った。

 シーズン半ばからはすっかり外野のレギュラーに定着。それでも遊撃手への思いは消えていない。「やっぱり遊撃手で勝負したい思いはある」。外野手をやることがダメなのではない。それがドライチショートのプライドなのだ。

写真=BBM
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