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DeNA・筒香嘉智 優勝、Aクラスを逃した悔しさを胸に/チームリーダーの2018年

 

秋季練習を前にラミレス監督から主将の続投を要請され、快諾。石川雄浩から受け継いだポジションは、来季で5年目を迎える


 感情を抑え込み、筒香嘉智は前だけを向いた。「みんな」と繰り返したのが主将らしい。「みんな一生懸命やったと思います。オフが大事になる。みんなでやり返したい」。残り2試合で迎えた10月9日のヤクルト戦(神宮)。4対1で快勝しながら、3年連続のCSに手が届かなかった。

 若い選手の多いチームを束ねて4年目。「チーム全体としてレベルは上がっている。勝つために自分が何をすべきか。全員が理解できるようになれば、勝ち試合はもっと増える」。昨年はCS第1ステージから阪神広島と連続で撃破し、日本シリーズではパ・リーグ王者のソフトバンクと熱戦を展開。大きな経験を積み、常勝軍団になる手応えを持ってシーズンに入った。

 今季は139試合で打率.295、38本塁打、89打点。44本塁打、110打点で2冠に輝いた一昨年ほどの充実ぶりはなくても、四番として十分に仕事を果たした。4月こそ月間打率.234と苦しんだが、5月から2カ月連続で3割超え。好不調の波は少なく、8月17日の広島戦(横浜)では劇的な一発を放った。3点を追う8回、無死満塁で一岡の初球を右翼席へ。逆転の25号グランドスラムは、停滞する雰囲気をガラッと変えた。

「みんなで勝ちたい」とは日頃から呪文のように繰り返してきた言葉。一時の最下位から息を吹き返し、最後までAクラスを争う原動力になったことは事実だ。

 来季は節目の10年目。絶対的な柱は、また太く、強くなって戻ってくる。

写真=大賀章好
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