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ヤクルト・中村悠平 自覚を持って取り組んだ1年/チームリーダーの2018年

 

バットでも勝負強さを見せた


 扇の要が、躍進したチームを支えた。中村悠平は今季から選手会長と主将に就任。昨季、シーズン96敗を喫したチームを立て直すため、先頭に立って引っ張ってきた。「再起」を掲げた2018年。その中心には、中村がいた。

「自覚を持ってやらないといけないし、成績でも引っ張らないといけない。自分がしっかりしなきゃいけないと、人一倍思ってすべてに取り組まないといけない」

 強い思いは結果として表れた。6月9日のオリックス戦(神宮)。途中登板のカラシティーを好リードすると、バットでは初回、左翼席へ2号3ランを放ち、チームを勝利に導いた。同12日の西武戦(県営大宮)では、4回に左側頭部へ死球を受け、途中交代。試合中に精密検査を受けたが「直後は耳鳴りがしたけど、救急車の中でも気になっていた」とチームを思い、出場選手登録を抹消されることなく、グラウンドに立ち続けた。

 6月上旬。中村は「恩師」に激励を受けた。交流戦で、楽天・古久保バッテリーコーチにあいさつ。2009年の入団時に二軍バッテリーコーチだったのが同コーチ。「体作りからみっちり教えてもらいました。古久保さんの顔を見るだけで、当時のきつい練習を思い出します」と振り返った。

 8月29日の阪神戦(甲子園)では、2回にシーズン自己最多に並ぶ決勝の5号3ラン。主将が結果で示した瞬間だった。今季は123試合で打率.211、5本塁打、26打点。来季はさらなる飛躍でチームを引っ張る。

写真=BBM
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