己の打棒にチームの浮沈が懸かっている。岡本和真は今季、主砲の看板を背負うこととなった。飛躍の一年を、岡本はこう振り返る。
「今年だけと言われないように、来年もしっかりできるようにしたい。CS(クライマックスシリーズ)では何もできずに申し訳ないです。大事なときに打てるような打者になりたい」
チームで唯一、全143試合に先発出場し、打率.309、33本塁打、球界史上最年少となる22歳での100打点も達成。CSでは18打数連続無安打を記録するなどチームを日本シリーズ進出に導くことはできなかったが、シーズンでの活躍はインパクト大で、プロ3年間で1本塁打から覚醒を印象づけた。
開幕から好調を維持し、6月2日の
オリックス戦(京セラドーム)でプロ初の四番に起用され、不動のものに。6月末から7月にかけての32打席無安打、9月14日の
DeNA戦(横浜)での痛烈な右手死球……。数々の試練を乗り越え、正真正銘の四番に成長した。11月の日米野球の日本代表にも選ばれ、第5戦ではナゴヤドームで本塁打も放ち、最終第6戦(ナゴヤドーム)では日本代表の四番にも座る。今や、球界を代表する長距離砲だ。
来季、
原辰徳新監督は、
長嶋茂雄終身名誉監督や自身が受け継いできた球団の伝統の「四番・三塁」に据える構想を練っている。今季は主に一塁と左翼で出場した岡本は「サードが一番緊張感がある。やりたい」と意欲的。球団のみならず、球界全体を引っ張っていく存在となるべく、来季もさらなる進化を求められる。
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