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中日・京田陽太の「守るもの」/増した責任感

 

悔しさの残る2年目のシーズンだった


 1つの新しい命が、3年目の逆襲に向けた力になる。京田陽太の妻・葉月さんが10月22日に、第一子となる長女を出産した。今年1月に結婚し、さらには子宝にも恵まれた昨年のセ・リーグ新人王は、野球道を突き進むべき大きな理由が増えた。

 「父親として、より一層の自覚と責任を持って行動したい」。宮崎でのフェニックス・リーグ中ではあったものの、出産日は偶然にも試合がなかった。名古屋に戻り、その瞬間に立ち会うことができた。2年目のジンクスに苦しんだシーズンの終わりに接した生命の重みが、来季へのモチベーションになることは間違いない。

 入団から2年続けて任された遊撃のポジションには、根尾昂(大阪桐蔭高)という超高校級野手が飛び込んでくる。「ショート1本」での勝負を宣言したゴールデンルーキーに対し、京田も「僕もショート1本。簡単に譲る気はない」と応じた。秋季キャンプでは首脳陣から「二塁の練習もしておくように」と指令を受けたことも、反骨心に火が付く要因になっている。

 「来年は周りを驚かせる打撃、走塁、守備を見せたい」。いくら大物ルーキーが相手でも、プロで2年間、メシを食ったプライドがある。「ポジションを取れるなら取ってみろという気持ち」。珍しく発した強気のコメントには、京田の意地が見える。もう、遊撃という守備位置は安住の場所ではなくなった。根尾を迎え撃つ。定位置死守は、妻と娘の生活を守ることでもある。


写真=BBM
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