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広島・田中広輔 重要なのは『心・技・体』/来季の雪辱を誓う

 

3年連続のフルイニング出場&150安打超えも、田中にとっては悔いの残るシーズンに


 日本シリーズの大舞台は、悔しさだけが残った。チームがソフトバンクの強肩・甲斐拓也の“キャノン砲”によって盗塁をすべて阻止されたが、田中広輔も3度の盗塁死があった。最後の試合となった第6戦(11月3日、マツダ広島)も初回、二盗に失敗。リクエストでセーフ判定が覆った。

「甲斐選手が一枚も二枚も上手だった。ああいう選手、バッテリーから盗塁を決められるような選手になりたい」。この試合、ただ1人2安打を放って気を吐いたが、「強かった。どっちに転んでもおかしくなかったけど、勝ち切れなかった」とソフトバンクの強さを素直に認めた。

 個人的にも苦しかった1年と言えるだろう。シーズンで最も意識する記録のフルイニング出場を3年連続で達成したが、打率.262はプロ5年目で最も低かった。8月中旬には不振で不動だった一番から七番に降格。「自分でも七番を打っているようじゃダメだと思っている」。その後も六番、八番など下位を任され、リードオフマン復帰は1カ月後。本人は打順について多くを語らないが、周囲によれば頭の整理に時間を要した部分もあったようだ。

 最終的には3年連続の150安打に到達。盗塁王のタイトルも争った。心と体がかみ合えば、結果を残せることをあらためて証明した。日米野球にも出場した疲労を、その後の大分・湯布院リハビリキャンプで癒やした。リーグ4連覇を目指す来季、コンスタントに実力を発揮することが個人的な課題と言えそうだ。

写真=BBM
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