今シーズン、野村祐輔にとって納得できる要素は何一つなかったようだ。「春先いきなり離脱してますし。2カ月間離れてしまっているんで。自分的にも悔しいですし、イニング数にしてもですね。満足はないです」。初めて開幕投手の大役を託されたが、4月下旬に背中の筋挫傷で戦列を離れた。復帰後も思うように白星が伸びなかった。
結局、7勝6敗で防御率は4.22に終わった。一昨年が最多勝の16勝、昨年は9勝。そこからさらに成績を落としてしまった。そして来季、クリアしたい数字を聞かれるとこう言った。
「まずは先発ローテを守らないことにはいけないと思うし、それができてから。数字は自分で操作できないから。一生懸命頑張った結果。ついてきてくれるような取り組み方をしたいです。(やるべきことは)少しじゃないですね」
自分の投球に専念して、結果を残すだけ。ひとまずは通算1000投球回が一つの通過点となるだろう。あと58回2/3 で到達。その先に、16、17年は達成した規定投球回が見えてくる。
新球への意欲も口にする。「いろいろ試してみたい。球種を1つじゃなくしたいなと。スライダーでも何種類かとか、落ちる球でも何種類かとか。1個の動きだけじゃなくて、違う動きもさせていけたら」。多彩な変化球を駆使して打ち取る技巧派だが、さらにバリエーションを増やすつもり。首脳陣の信頼を回復させ、先発の柱として復活を遂げる。
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