還暦とは思えないエネルギッシュさで、チームを変える。原辰徳監督は就任会見で「選手はのびのび、目標を持って前に進んでもらいたい。巨人軍でなければいけない。個人軍ではいけない」と力強い言葉で所信表明した。
過去2度、巨人の指揮を執っており、今回が4年ぶり3度目の就任となる。リーグ優勝7度、日本一3度と実績、経験には疑う余地がない。山口寿一オーナーは編成面についても「(原)監督の意向を完全に尊重しようと思っている」と明言しており、チーム再建を一手に担う形となった。
まずは首脳陣を大刷新。一軍は
元木大介内野守備兼打撃コーチ、
宮本和知投手総合コーチ、
鈴木尚広外野守備走塁コーチらが入閣。ファーム首脳陣にも現役を引退したばかりの
村田修一、
杉内俊哉らフレッシュな顔ぶれを並べた。
戦力補強では
炭谷銀仁朗、中島宏之、新外国人のC.
ビヤヌエバ、メジャー帰りの
岩隈久志、そして、王者
広島の大黒柱・
丸佳浩の5人を次々と獲得。
ロッテ、広島との争奪戦となった丸とのFA交渉に同席し、「まだまだ長い野球人生の中で絶対プラスになる」と自ら口説き落とした。
若手が参加した宮崎秋季キャンプでは、積極的に選手に歩み寄って声をかけた。異例といえる7度もの実戦で考える野球を浸透させ、“原イズム”を注入した。その後、
菅野智之に18番を与えるなど背番号の大シャッフルも敢行。あらゆる面で大改革を進め、名門を復活へと導く。
写真=BBM