若手の底上げとともに、頂点も狙う
見事にチームを立て直した。屈辱の96敗を喫した昨シーズン。今季は
小川淳司監督のもと、「育成」をテーマとし、チーム力の底上げを図りつつ、シーズンを戦い、セ・リーグ2位の大躍進。だが、指揮官はこう口にした。
「最下位から2位になったものの、本当の目標であるリーグ優勝、日本一を果たすことはできませんでした。まだまだチームは上昇する力を持っています。上昇しなければなりません」
今季は故障者も少なく、青木が7年ぶりに復帰するなど、昨年にはない層の厚さが躍進した原動力の一つだろう。だが、野手の主力は中堅やベテランが多く、「若手の底上げ」こそがV奪回へのキーとなっている。
そんな中で期待される一人が、ドラフト1位で入団し、1年目を終えた
村上宗隆だろう。9月16日の
広島戦(神宮)で初出場を果たすと、初打席で初本塁打を放った。結局、安打はその1本のみだったが、ツバメの将来を担う大砲候補として、多くの経験を積んだ。小川監督も「今年の経験を来季につなげてくれれば」と期待をかけている。
11月に行われた納会で「来年こそはセ・リーグの優勝、そして日本一を目指してチーム一丸となって戦っていきたい」と口にした小川監督。来季は2年契約2年目で、球団創設50周年の節目の年でもある。スローガンは「KEEP ON RISING 躍進」に決まった。「若手の底上げ」を図りつつ、小川
ヤクルトは覇権奪回に燃えている。
写真=BBM