充実の1年目を過ごした東。2年目もパフォーマンスに注目だ
心の強さを示すような、
東克樹の言葉だった。「信じない。気にしない」と無関心を決め込んだのは、その年に輝いたルーキーが必ず聞かれる2年目のジンクスについて。「いい投手は2年目でも、何年目でも活躍できるので」と力強くうなずいた。昨季はチーム唯一の2ケタとなる11勝を挙げ、セ・リーグの新人王を受賞。防御率2.45は同2位で、特に
巨人戦で6戦5勝と目覚ましかった。
先発4本柱に見込まれた
今永昇太、
石田健大、
ウィーランド、
濱口遥大が軒並み苦しんだシーズンで、大きな故障もなくローテーションの軸として孤軍奮闘。年俸1500万円から4050万円増の大幅昇給を勝ち取り、入団2年目としては球団史上最高額となる年俸5550万円とバラ色のオフを過ごした(金額は推定)。
「つまずかないように練習したい。ベイスターズだけの選手で終わるのではなく、みんなが知っている投手になりたい」。13勝以上と防御率1点台の目標に加え、投球回も170イニング(昨年は154イニング)に設定。「あれだけ柱としてやってくれた。そういうつもりでやってもらえれば」と
ラミレス監督に期待された開幕投手についても「チームの顔だと思う。勢いを決める1試合目なので、狙っていきたい」と意欲十分だ。
慢心は一切なく、母校の愛工大名電高で自主トレを継続。さらなる柔軟性を求め、ヨガやピラティスも積極的に取り入れている。
DeNA、そして侍ジャパンの看板選手にもなり得る本格派左腕。心配はなさそうだ。
写真=早浪章弘