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ソフトバンク・和田毅 後輩たちと、まだまだ競争がしたい/最年長の意地

 

春季キャンプでは第2クール以降のブルペン入りを想定している和田


 五十嵐亮太が退団し、チーム最年長が自分になった。今春で38歳。ベテランに厳しい風が吹く昨今の球界情勢以前に、和田毅はたやすくない状況にある。昨季は春季キャンプで覚えた左肩の違和感から一軍マウンドに立つことはなかった。

 だから自主トレ時点で、目標をこう語った。「昨年1年間、投げることができていないので。まだ全力で腕を振っていない。まずはそこ」。それが偽らざる本音だった。

 ただし「肩さえ良くなれば、やれる自信はある」。杉内俊哉村田修一といった「松坂世代」の同学年が次々とユニフォームを脱ぎ、和田も引き際を考えさせられることがあったが、世代の旗手・松坂大輔が右肩故障から昨季復活したことで「大輔が投げているのを見て勇気づけられた」と話す。

 後輩への直言もはばからない。昨季のチームに規定投球回到達投手が不在だったことに「寂しさはあった」ともらす。「東浜(東浜巨)と千賀(千賀滉大)が柱にならないと。投げるときは“中継ぎは休む”くらいの雰囲気になってもらいたい。自分が若いときはスギ(杉内俊哉)や和巳(斉藤和巳)さん、渚(新垣渚)と競い合い、何とか一勝でも多くという気持ちだった。最低でも180イニングぐらい投げてほしい」。チーム内の競争が力になることを知っている。

 だからこそ、この言葉の真意が透けてくる。「先発ローテに入れたいと思われる状態、使いたいと思ってもらえる投球ができるようにしたい。そこからが競争」。競争を強く意識しているのは、和田自身なのだ。

写真=湯浅芳昭
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