力強かった。
則本昂大は前を見つめ、よどみなく決意を語った。開幕投手への意気込みを問われると「143試合のスタートなので、すごくやりたい気持ちはある。まずはそこに照準を合わせて準備する」と言い切った。6年連続で2ケタ勝利を続けているエースは、2年連続6度目となる開幕投手へ並々ならぬ意欲を示した。
「開幕男」と呼んでもいいだろう。2013年はパ・リーグで1958年の
杉浦忠(南海)以来、55年ぶりとなる新人での開幕投手に。
ソフトバンクを相手に6回1/3を投げ4失点で敗戦投手となったが、当時の
星野仙一監督は「立派なもんや」と絶賛した。
星野仙一監督は14年も大役に指名。右腕は
西武戦で岸孝之と投げ合って、9回1失点でプロ初の完投勝利を飾った。闘将が高く評価したのは能力に加えて、大舞台で実力を発揮できる強心臓。13年から16年まで、2リーグ制後では初となる新人から4年連続での開幕投手。17年はWBCの影響で外れたが、18年は
ロッテ戦で2年ぶりの開幕投手に。勝ち星は付かなかったが、8回1失点の好投でチームの2年連続開幕戦勝利に貢献した。
過去5度、大役を務めて2勝2敗。6度目の開幕投手となれば、
楽天では
岩隈久志と並び球団史上最多となる。ただ
平石洋介監督は、岸と則本昂大の2人に2月いっぱいまで開幕投手の座を競わせる方針だ。昨季は10勝11敗に終わった則本昴大だが、オフは急ピッチで調整を続けるなど意欲的。両右腕のハイレベルな争いが、まだまだ続きそうだ。
写真=BBM