選手会長となった鈴木は厳しさをもって臨む覚悟を決めた
「個」より「和」を重んじる姿だった。石垣島キャンプ2日目の2月2日。三塁の守備練習で一際、声を出している
鈴木大地がいた。
この日から、前
日本ハムから加入した
レアードが合流。一番の競争相手だが、「溶け込みやすいように」英語で積極的にコミュニケーションを取った。「ライバルですけど、同じ方向を向いて競わないといけない。ライバルだから話さないとか、小さいことはしたくない」と、チームリーダーとしての役割を優先、まっとうした。
昨季は三塁で143試合に出場。3年連続5度目の全試合出場を果たし、打率.266、8本塁打、49打点をマークしたが、途中交代が増えるなど悔しさが残った。
勝負のシーズンに向けて「これまでは誰かがミスしたときには『次が大事だぞ!』と言っていたんですけど、ちょっと厳しくいこうかなと思う。そうすることで自分にもプレッシャーをかけられる。戦う集団になることも大事。今までは仲良し集団みたいなところもあった」。“嫌われ役”を買って出ることで自他ともに厳しい姿勢でチームを支えるつもりだ。
グラウンド外では今季から選手会長に就任。球団と選手会との間に立ち、風通しの良いチーム作りのために身を粉にして働く。グラウンド内ではレアード、2年目の
安田尚憲との争いが待つ。「例えどういう1年になったとしても結果だけじゃなく、やり切ったと思えるようなシーズンにしたい」。この壁を乗り越えた先には、どんな景色が広がっているのだろうか。
写真=BBM