今春キャンプで、打力アップを強く印象づけているのが3年目の坂倉将吾だ。2月7日のシート打撃で、中村祐の抜けたフォークを右翼スタンドにたたき込んだ。さらに塹江から三塁打、藤井皓から二塁打。シングルヒットが出れば“サイクル安打”という打ちっぷりで「結果が出てよかった」と笑った。
ボールに対して自分の間合いで強く振ることを意識している。1月、
ソフトバンク内川との合同自主トレに志願して参加。打撃に関するアドバイスを受けた。タイミングというデリケートな部分であり、試行錯誤を続けているが、その成果が出てきた。緒方監督も「いいスイングをしていた」と評価する。
もともと、潜在能力は高く評価されていた。1年目の2017年は、高卒1年目捕手として、
広島では65年の
衣笠祥雄以来の安打、打点を記録。ウエスタン・リーグで
メヒアに次ぐ2位の打率.298をマークし、ファーム日本選手権では決勝3ランを放った。それでも一軍には正捕手の會澤がおり、ベテラン石原も健在。割って入るのは至難の業だった。
打撃を生かすため、昨秋から外野の練習にも取り組んでいる。主に左翼。7日のシート打撃でも左翼守備を無難にこなした。「まだ高校生レベルです」と話すが「秋は中学生レベル」と話すように、着実に進歩している実感はある。
3連覇したチームの競争は激しいが、何とかして出場機会を増やしたい。あらゆる可能性を模索し、挑戦し続ける。
写真=BBM