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広島・矢崎拓也 登録名も投球内容も一新!/春の一番星を探して

 



「悔しいしかない」。矢崎拓也はキャンプイン前、プロ2年間をそう振り返った。慶大からドラフト1位で2017年に入団したが、ここまで1勝しか挙げられていない。満足などできるはずがなかった。

 その1勝は衝撃的だった。1年目の4月7日ヤクルト戦。マツダ広島でプロ初登板初先発し、あと2アウトでノーヒットノーランの快投を演じた。7四球を出しながら、剛速球で真っ向勝負し、9回一死一塁からバレンティンに左前打を許すまで無安打に抑えた。だが、その後は制球難に苦しむようになり、トンネルに迷い込んだ。

 今キャンプでは、見違えるような投球でアピールしている。投球フォームを徹底的に見直し、無駄な動きを抑えることを心掛けた。それがピタリとはまり、ストレートの威力を生かせるようになった。初実戦となった2月11日の紅白戦では最速148キロをマークし、2回をパーフェクト。野間、菊池涼、長野、松山、下水流、堂林を封じた。佐々岡投手コーチから、床田とともに日南1次キャンプのMVPに指名された。

 沖縄2次キャンプに入っても、奮闘は続いた。チームの対外試合初戦となった18日の韓国KIA戦(コザしんきんスタジアム)では3番手として登板し、先頭打者のバットをへし折るなど2回無失点。「高めに抜ける球はあったけど、ゼロに抑えたのはよしとしたい」と話した。オープン戦初戦の24日のDeNA戦(アトホーム宜野湾)でも2回を1安打無失点。結婚により登録名を「加藤」から「矢崎」に変えたが、球威を生かし切れないイメージもまた、変わってきた。

写真=BBM
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