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中日・渡辺勝 育成から一気に一軍定着へ/春の一番星を探して

 

一本足打法で存在感を示す



 育成から支配下契約を勝ち取り、さらにはキャンプ一軍切符をつかんだ。手放すわけにはいかない。「一番下からのスタート。はい上がる気持ちでやっている。そういうメンタルには慣れている」。死に物狂いの渡辺勝が、存在感を発揮している。

 特に打撃には目を見張るものがある。「自信がある」というバッティングは独特なフォーム。元巨人王貞治ばりの一本足打法だ。2月17日のヤクルトとの練習試合(浦添)では、9回に右翼ポール際に待望の一発を放った。与田剛監督も「(ファウルの後に)修正できれば、どんどんチャンスをつかめる」と評価した。

 だから、今キャンプのテーマには走塁と守備の向上を掲げていた。走塁では特に打球判断。抜けるのか、頭上を越えるのか、それとも捕球されるのか。経験を重ねないことには、なかなか分からない類のものだ。日々、鋭い眼差しで白球を見つめている。

 外野には大島洋平平田良介アルモンテという3人がいる。簡単にスタメンを勝ち取ることはできない。ただ、3人を近くで追走している存在がいないのも現状だ。昨年限りで工藤隆人が引退した。チームとしては、守備固め、代走要員は心底欲しい。打つことはもちろん、まずは工藤のポジションを奪うことが、一軍定着への近道である。

 昨年結婚し、10月には長女も誕生した。キャンプ中はテレビ電話越しの愛娘の笑顔に癒やされている。守るべき家族のためにも、懸命のアピールは続く。

写真=BBM
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