ファイターズ一筋で左腕を振り続ける。今年で34歳となる宮西尚生は新たなシーズンへ向けて準備を進めている。昨年11月に「左ヒジ骨棘滑膜切除手術」を受けた。15年オフに受けた「左ヒジのクリーニング及び神経移行手術」に続いて自身2度目の手術。「残りの野球人生を考え、今がそのタイミングだった」と大きな決断を下した。
昨オフは熟考の末にチーム残留を決めた。海外FA権を保持し、国内外を含めて移籍も視野に入れていたが、最後は育ててもらった日本ハムを選んで新たに2年契約を結んだ。移籍を経験していない生え抜き選手では中田と並んでチーム最長の12年目。ブルペンの大黒柱は北の大地で野球人生を全うする決意を固めた。
2月のアリゾナキャンプでは投げたい欲求を抑えながら少しずつリハビリを進めていった。現地は思ったほど気温が上がらない状況下で、患部に負担がかからないレベルでブルペン入りを重ねた。帰国後は気温も高かった沖縄の天候に後押しされるように患部の痛みも徐々に軽減。キャンプ打ち上げ日の2月25日には「やっと不安がなくなった」と実戦復帰への道筋を整えることができた。
3月10日の
オリックス戦(京セラドーム)に4番手として8回から登板。ソロ本塁打を浴びたが1回1安打1失点で投げられたことだけで収穫。あとは開幕に合わせるだけだ。今シーズンも数々の中継ぎ記録の更新とともに、北の鉄腕がチームをけん引する。
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